最近6年前に発売された「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」著:山口周という本を読んだ。
経営における意思決定のアプローチ方法を著者は「論理と直観」、「理性と感性」の対比軸で考査している。
著書の中では現在の経営は論理と理性に軸が傾いているが、長期経営をしていくには直観と感性が同じレベルで必要だと提言している。
その上で経営において必要なものが自分の内側にある「真・善・美」=「美意識」だと書かれている。
要は人生を評価する自分なりのモノサシを持つという事なのだが、私はこれ「自分軸」がないと無理なのではないかと読んでいて思った。
真・善・美とは稲盛和夫の著書などでも良く出てくるが、自分の軸となるモノサシとそれを客観的に見るという2つの要素を持ち合わせてないと体現することは難しいと私は考える。
なぜなら著書でも書かれていたが、人間が判断や決断するのは思考ではなく心でするからだ。
また直観と感性も心が主軸を担っているものなので、何か行動を起こす時には論理と理性ではなく、直観と感性で人は動くものだと私は思っているし、結局論理と理性で行動しても面白さや楽しさが感じられず長続きしないのだ。
そう考えると自分軸という心のモノサシがまずあるということが大前提になってくる。
今回読んだ本は経営者やエリートと呼ばれる人向けの本なので、自分軸はあるという前提で書かれている。
しかし意外と経営者やエリート層でも美意識云々の前に、自分軸を取り戻すところから始めないとダメな人は沢山いると私は思うのだ。
美意識を鍛えるのも良いが、結局自分軸の無い人間が周りの空気や私利私欲に駆られて様々な問題を起こしてしまうのだと私は思うからである。
そう考えるとまず自分軸を持つor自分軸がある→次に真・善・美という自分なりの美意識のモノサシを持つ→そして客観的に物事をみて判断する。という三段階で考えた方が良いのではないかと私は思うのである。