その声の主はアリスの記憶の持ち主、魂自身の声だったのです。
”鏡の数は演じながら生まれ変わってきた回数。”
”迷子になってしまって分からなくなっていたから数えきれないけどね・・・。”
”このアリスの世界は、物語でいう終わった後のその後の世界なの。”
「じゃあもうこの物語、いやこの迷子の状態で輪廻転生することを終わらせないとダメだよね。」と私は魂に言います。
そして「ごめんね。長い間、間違った想いにとらわれて困っていたことに気づいてあげれなくて。でももう大丈夫。おかしいことに気づいたでしょ?ならばもう同じ間違いはしないから。そしてもっと自分が、魂が輝ける場所があるからそこに行こう。」
するとアリスが「私ステージに出なきゃいけないの?」と言います。
私は「そうだよ。誰かの為ではなく自分自身が輝ける場所があるからね。」
するとアリスは困った顔をして「全くイメージがつかないわ。」というのでした。
そんなアリスに私は「そりゃそうよ。どれだけの長い間道に迷っていたと思うの。でももうそれも終わり。これからは自分の為に生きる旅にでましょう。そのためにもここから出て少し休みましょう。アリスも、そして魂も長い間道に迷っていたから疲れたでしょう?」
すると2つの声が興奮したように「それは良さそうね。今度は冒険の旅がいいわ。」と自分の思いをハッキリと言葉にしたのでした。
その途端、アリスは今までいた森の空間から抜け出して消えたのでした。
経験も知識も乏しい魂だったので、今の状況から抜け出す方法が分からず、何度も何度も同じような人生を転生するしかなかったのでした。
しかし自分の間違った思い込みに気づき、自分の思いがどこにあるかということに気づいたことで輪廻転生の迷子から抜け出すことが出来たのでした。