「自分を愛さないとね。」と言われてビックリしたアリスでしたが、何かを思い出したように「そうかもしれない。沢山の光の中に居た時は、お互いがお互いを大事にしていて、自分の思いやりや愛をその中で出せば返ってきていたのだけど、そこから出て違うコミュニティの中に行くたびに、自分の思いやりや愛をその中で出しても、逆に気持ちをえぐられるようなことが多くて傷ついていたの・・・」と言うのでした。
「そうだったのね。アリスの魂は愛される事を知っていたのね。転生するたびにコミュニティの中で愛を求めてしまうのは、愛されることを知っていたら当たり前のことだと思うわ。でもねアリスだけじゃなく、みんな意外に気づいてないのだけど、誰かの愛を期待するよりも自分で自分を愛した方が、実は愛の充足度は高いのよ。だからアリスも自分で自分のことをまずは愛した方が良いと思うわ。」
「そうなのね・・・。愛をもらう事が当たり前の時代の事ばっかり考えていたから、愛を出すたびに自分の中にある愛が目減りしていってたの。だから最近は自分の中にある愛が無くなってしまうことが怖かったの。だって自分の中にある愛が無くなってしまったら、自分が真っ暗闇になってしまうと思っているから。だってそうでしょ?ここは凄く冷たくて、寒い場所なのだから・・・」
小さな窓の光を見ながら話すアリスは、自分の素直な気持ちを話した事で力が抜けた感じになり、宇宙に来た時よりも一回り小さくなった感じでした。
そんなアリスに私は「一緒にその光の場所に行こう。でもそのためには愛の充電をしないとね。自分だけじゃなく、転生して傷ついてきたアリスの魂もを愛してあげて傷を修復してあげないとね。魂のパワーが戻れば、必ず元いた場所に戻れるから。」
そういうとアリスは素直に「うん。」と返事をしたのでした。
素直さが戻れば、実は簡単に充電は出来るのです。
私はアリスに「じゃあ、充電する為の呪文を一緒に唱えていきましょう。」と笑顔で言うと、アリスはビックリしたように「えっ?」と聞き返してきたのでした。
「そんな難しい呪文じゃないから大丈夫。物凄く簡単な呪文だから。でも効果は抜群にあるのよ。唱える呪文は、アリスも魂も宇宙も全部大好き!愛してる!よ。」
「そんな呪文で良いの?」
「そんな簡単な呪文と思うかもしれないけど、これは日本でいう言霊というものなのよ。日本には言葉には霊力、見えない力があると言われてきたの。そして本当に言葉には力があって、それは日本に限らず宇宙全部に言える事なのよ。それにね、宇宙は言葉よりも想念の方が軽くて速いから使われやすいのだけど、言葉は重くて力があるから想念よりも時間は掛かるけど、その分大きく変化させる力があるのよ。」
「そうなんだ。分かった。」
そう言って、アリスと私は何度も何度も呪文を唱え始めたのでした。
すると先ほどまで光っていた小窓が無くなり、真っ暗なトンネルのような物が現れたのでした。
そして私とアリスはその中に吸い込まれるように入って行き、どんどん漆黒の闇の奥へと連れていかれるのでした。